ユーノス&マツダ・ロードスターNB8C/6C向け
「スーパーノーマル」基本メニュー


 オープンボディの車両の中では格段にしっかりと作られているロードスターだが、クローズドボディのそれ(ボディ剛性)とは当然ながら同じレベルではない(かなり低い)。
 仮にハード過ぎるサスペンションを組み込んだとしたら、サスペンションを介して伝わってくる路面からの入力をしっかりとボディが受け止めることができず、入力のたびにブルブル、グラグラとした落ち着かない走り(乗り心地)になりがちだ。
 そんなロードスターだけに、気持ちよく軽快に走らせることは、ごく当たり前なチューニングではなかなか実現しがたくかえって悪化してしまう事もままある。
  そこでここにご紹介する「スーパーノーマル」のメニューを一度お試し下さい。ノーマル車両が持つ高いトータルバランスを損なうことなく、気になる挙動だけを最小限の処理で抑え込む。また、ドライビングのリニアリティを高めることでヘタな「チューニング」を凌駕する効能を実現する。
 これが「スーパーノーマル」コンセプトの真骨頂です。

1.ダンパー&スプリング

 ロードスター用の足を考えるとしたら、このボディ剛性に合わせた“やさしい足廻り”がポイントになる。純正のバネレートはフロント、リヤ共にホイールレートで1.5kgf/mm近辺。これは国産車全てを見渡した中でも、最も低い部類に入る。やはり最初からボディにやさしいレートになっているのだ。
 新たに脚を考えるとしても、常識的にバネレートを選択すると、純正レートから1.5倍程度の範囲に、日常的な走行などを主に盛り込んだ時の“おいしい領域”があるハズ。しかしサーキット走行まで楽しみたい……。

 そこでスーパーノーマルメニューとしてお薦めなのが、BILSTEINベースのサスペンションKIT。これは2005年2月から発売されている、ロードスターパーティーレース用のダンパーそのものだ。
 ご存知のように、パーティーレース車両はノーマルサスペンションが基本で、一切改造不可というレギレーションは変っていないから、このBILSTEINは純正相当品ということなのだが、かといって純正BILSTEINと全く同じではない、乗り易さ 、コントロール性といったあたりの味付けが微妙にチューニングされている。あくまでノーマルスプリングとの組み合わせになるので、 限りなく純正に近いのは確かだ。


2.適正車高

 ロードスターに限らず、車高は、前後ショックアブソーバーの伸び寸法縮み寸法の分配(バランス)、バンプタッチのポイント、前後サスペンションのロールセンター高さ(各アーム角)、これを結んだロール軸の傾き(車両姿勢)、それぞれに組み合わされているスプリングレートと、減衰値のバランス等々、全ての動きのスタートポジションになり、“適正車高”がサスペンションチューニングの仕上げ寸法とも言える。
  当然“適正車高”は見てくれがカッコ良い!!とかカッコ悪い!!と言われる車高とは別次元で決まってしまう。特にロードスターは“適正車高”か否かの影響が顕著に現れる。したがって前記BILSTEINのダンパーKIT(正式名称Clubman Pack)を組み込む際の要注意点は、車高出しをキチッと行わなければならない事だ。取扱説明書に車高寸法が指定されている。これを怠ったり、あるいは“自分の好み”で車高は低い方がいいなどと勝手にいじってしまう(無精して適当に組み込んでしまうのも同じ)と、このKITの本領が発揮されない。KITの特性を生かすも殺すも、組み込みしだいなのだ。
 したがって、Clubman Packのように細かい指定値(適正車高)が明確になっていれば良いが、その他のKITは適正車高を捜すところから始め、車高出し、アライメント出し……と、一連の作業を確実に行なえる人以外は、プロにまかせた方が良いと思われる。。


3.ボディ剛性アップ

 ロードスターのボディ剛性アップを考えると、真っ先に思い浮かぶのは純正ハードトップである。これを取付けるだけで、約50%程度のねじれ剛性UPが期待できる。
 次に期待するのはロールバーだが、この場合取り付けがボルトオンではあまり剛性UPが期待できず、溶接止めでなくては期待する程の効果が得られ難い。また、ロールバー自体の形状も本来ポイントポイントは直線的に結びたいところだが、ロードスターではスペース的に厳しく、剛性UPは費用対効果を考えると疑問も多い。
 そこでお薦めなのが「ベルコパワーウレタン」による補強だ。ウレタン補強はベルコがボディ補強専用に開発した発泡ウレタンを、サイドシル内部に充填するボディ補強。ロードスターでは実際に測定はしていないが、他の車種では施工前と後では実に100%ねじれ剛性アップというデータがある。100%UPというと、ちょうどインプレッサがGC-8からGDBへのフルモデルチェンジしたのボディ剛性アップ率と同じ、と言えばお分かりいただけるだろうか。
  また、このウレタン補強は元々WRCARのチューニング技術であり、近年メーカーの新車の中にはメンバーの補強等にも使用されている。その効果の程は言うまでもない。
 ちなみに、ベルコパワーウレタンの発売当初、発泡ウレタンなら何でも同じと思ったのか、建材用?梱包材用? 等のウレタンを流用した不幸な方が悔し紛れに色々おっしゃっていましたが、ベルコパワーウレタンはボディ補強専用品です。一度お試し下さい。

4.マウント&ブッシュ類

 ロードスターでマウント及びブッシュの話をすると、真っ先に思い浮かぶのが、エンジンマウントとデフマウントだ。
 ロードスターはエンジン・ミッション・デフと3つの重量物を支えているのが、前記エンジンマウント2箇所、デフマウント2箇所の計4箇所だけ。このマウントが劣化してくると、エンジンがブルブル・グラグラと振動しシフトがうまくいかなかったり、同様にデフが固定されていない分、駆動がスムーズにつたわらなくなる。このマウント類は定期的に交換を必要とする部品と言える。
 交換する場合は純正新品でもOKだが、より硬い強化品を使用することも検討していただきたい。加えて言えば振動が室内に影響しにくいデフマウントに関しては、ウレタン製の物もお薦め。
 次にサスペンションブシュ。22点もあるロードスターのサスペンションブッシュは、やはり劣化してくると走りに影響が大きく、交換を検討したい部品だ。劣化してくると、なんとなく動きが鈍くなってきたり、ハンドルを取られたり…本来は全て新品に交換したいところだが、症状、予算に合わせてより効果的な部位を交換する方法もある、同時に強化ゴム製の部品を使用する手もある
BILSTEIN Clubman Packの詳細は こちら のPDFファイルをご参照ください。
ロードスター各パーツの詳細は こちら のPDFファイルをご参照ください。