FD3S強化フロントメンバー市販KIT開発にあたって


 

 2004年5月、オーストラリア・タスマニア島で開催された、オールターマックのハイスピードラリーである「タルガ・タスマニアラリー」に、マツダRXー7(FD3S)で参戦した。
  その際、FD3Sを競技マシンに改造するにあたって目標に掲げたのは、“安全に走れて”“壊れない車”だった。ごく当たり前の事だが、ラリーを無事にゴールする為の最優先事項とした。

 一般的に。市販車を競技車両に改造するとなると、まず速くするには? ブーストUP? 冷却系? コンピューターチューン?…となるのだが、とにかく「足固め」をキチッとしておけば、速さはついてくるし、ゴールも見えてくると判断した。

 具体的な改造項目の中には、すでに市販されていて多くの方に使っていただいている「コレクタータンク」がある、この改造は燃料の片寄りによる息付きを少しでも減らそうとしたアイディアで、ラリーで搭載燃料を安全に極力最後まで使い切る工夫から生まれたアイテムだ。
  同じくタスマニアラリーの為に開発したサスペンションがある。これは近々KITとして販売を予定しているのだが、ご紹介は次の機会として…。

 今回ご紹介するのは強化フロントメンバーで、走りの要となる部分のチューニングの一つだ。
  タスマニアラリーでのスペシャルステージ内アベレージは実に120km/h超で、例えば180km/hからのフルブレーキングや140〜160km/hのコーナリングなどは当たり前の様に要求される。一般道路を使ったコース上では「車両姿勢の安定性」と「ライントレース性」がアベレージを決定づける要素となり、自信を持って走らせられる車でなくては"ラリーは楽しめない。

 良い脚(サスペンション)を組めばそれで良さそうなものだが、更に大切なのは脚の動きをしっかりと受け止めるボディ、あるいはフロントメンバーといった、骨格となる「本体側の丈夫さ」だ。純正ボディでも走れなくはないが、タスマニアラリーのコースを思い浮かべると、更に強靭なボディであって欲しい。その対策の一つがフロントメンバー補強だった。

 FD3Sのフロントメンバーは、Sタイヤを履けば1Gを越す入力がロアアームを介して入ってくるし、エンジン、ミッションの荷重を受ける上に、ステアリングラックもフロントメンバーに装着されている。つまり走行中のハードな入力を常に受けている大切な部分であり、剛性が高いにこした事はない。
 直進性、微舵の剛性感といったハンドリングの最も大切なところを受け持つパーツでもある。

 FD3Sのフロントメンバーが、走行中、実際にどのようなストレスにさらされているかを、動画で確認してみていただきたい。映像は、純正フロントメンバー(補強なし)のままで、一般道路をコンフォートラジアルタイヤの純正サイズを履いた車両で走行する際、50〜60km/hで0.8G前後の左右Gを出した際の、ステアリングラックマウント付近を中心としたフロントメンバー付近の動き。 ステアリングラックが左右に動いている様子と、ラックマウント部の上下動が目視できる。

■補強の方法は?
 補強板を、実に18種類27点も追加溶接するカタチで強度アップを行なった。
補強を行なう事で、純正比でネジリ剛性・曲げ剛性ともに1.8倍以上(単体計測値)の数値となっている。
 おもな内容は
@ステアリングラックマウント部の重点的な剛性アップ。
Aエンジンマウント部の補強も最大限行なった(この部分の曲げ剛性は純正比で2倍以上)。
B全体剛性は中空部にタテ板を入れて補強。
C各取付け部(ボルト止めされている部分)の補強も厚板を溶接止めし、剛性アップ(取付け剛性向上)を図った。
Dさらにステアリングラックマウント部には、タスマニア仕様車に施したリジットマウントを市販化の形状として開発し取り付ける。こちらは単品の販売も行なう。

フロントメンバー補強のタイプ別価格
■メンバーAssy(純正新品のメンバーを補強した単品販売)
 商品番号 OBFM 001 標準小売価格12万4000円(税別)
■現品補強加工(フロントメンバーを送付いただいて補強、返送※)
 商品番号 OBFM 002 標準小売価格7万5000円(税別)
■現車持込フロントメンバー脱着補強加工取付け
 標準小売価格10万5000円 (フロントアライメント調整含む)(税別)

価格はすべて税別です。
※現品の状態によっては加工できない場合があります