OriginalBox Challange to
TARGA TASMANIA 2004


5月1日(土) レグ4

スタート準備(ビデオのセット)

スタートのTC風景

スタートの飲酒チェック
 今日も無事完走した。暫定結果によれば、我々は総合32位につけているようだ。日比野・杉山組も昨日オルタネ−ターとバッテリーを交換し、今日も無事完走した。

 今日はタスマニア州の州都であるホバート中心から約1kmの所にある公園でのタルガ・ステージから始まった。ここは街中であることと、今日が土曜であること、駐車スペースがたくさんあることなどの理由により、いつも数多くの観客が観戦に来る。今日も例外ではなく、多くの観客が押しかけていた。3.24kmのステージに与えられたベースタイムは2分。平均速度97.2km/h以上を要求されているわけだ。我々のRX-7は、結局ここを1分54秒の減点0で走りきった。アベレージにすると102.3km/hである。距離が短いのでスタートからの加速に要する時間も考えると、この平均速度がいかに高いか想像できると思う。Hobartのステージが特に速いわけではない。どちらかといえば遅い方である。それでもこのスピード。これがタルガ・タスマニアをして「究極の舗装のラリー」といわせるひとつの理由である。

 みんなが見ていることもあって、国政さんもスタートでちょっと頑張った。するとクラッチの焦げる臭いがした。実はスタート前から、クラッチのフィーリングがおかしかったのである。どうもこちらに到着した後で、預けている間に誰かが下手なクラッチ操作をして傷めてしまったらしい。こちらですぐにクラッチディスクが入手できなかったため、万が一のことを考えて後から来た国政さんの奥さんにスペアを持参してもらった。しかし時間も無いので、今のところそのまま使用しているのである。このためいつもスタートではクラッチを傷めないようにアイドリングでクラッチをつなぎ、ゆっくりとアクセルを吹かしてスタートしていた。今日はお客さんもたくさんいたので国政さんもちょっと頑張ってしまったのだが、やはりだめだった。スタートで毎回1秒ロスしたとすると、44のステージで44秒も遅くなってしまう。しかしクラッチが終わってしまえば結果は0である。


1964年式JensenCV8

 2本目のTS27Colebrookのスタートに行くと、トヨタの海外モータースポーツの総帥とでも言うべきオベ・アンダーソンと、そのナビのアーネ・ハーツ選手が立っていた。理由はわからないが、リタイアしてしまったらしい。残念だ。
 ここのスタートはクライスラーの7.6リッターV8エンジンを搭載しているという、1964年式ジェンセンCV8(英国製)の次だった。どんなにパワフルなスタートをするのか興味を持ってみていると、期待にたがわぬスタートをしてくれた。なんとスタートから20m位、タイヤから白煙を上げつつ、路面にブラックマークを残して、お尻を振りながらスタートして行ったのである。ちょっと前にクラッチのにおいでビビッていた我々からすると、タイヤのにおいを撒き散らしながらスタートできる彼らがとてもうらやましく思えた。

 3本目のTS28Rossは途中で2回踏み切り越えがある街中の短いステージだが、2回目の踏み切り越えはかなりの車がジャンプするため、アクションが派手になり、人気のあるステージだ。2.78kmのベースタイムは2分。平均速度にすると高々83.4km/hだが、前回AW11MR2で来たときも、9秒ほど届かなかった。スタート前に「今回もちょっときついかな」と国政さんはもらしていたが、案の定、ゴール直前の十字路右の手前でカウントダウンすると既に3秒前。結局ベースタイムに3秒届かなかった。

 TS29Symmons Plainsは1周2.37kmの小さなサーキットである。コースに入って半周して加速したところからの1周が計測される。生憎我々の到着直前に雨が降り始めた。ちょうど滑りやすくなった状況でのスタートである。スタートラインを超え、150m先の左コーナーへのアプローチを開始する。それほどハードに攻めたわけではないのだが、リアがロックしたらしく車が回転し始めた。スピンである。そのまま後ろ向きにコースアウトした。幸いコースの周りのエスケープゾーンが広く、スタックしにくい状況だったことも手伝い、きれいに1回転した後大きく遠回りしてコースに復帰できた。大笑いである。たぶん後で車載ビデオを見ると、ほとんど1周の間笑い続けていた僕の声が入っていることだろう。


昼食休憩(初代RX-7と)

マイケルさんのRX-7を囲んで

 昼休みに隣に停まった初代RX-7のドライバーが声をかけてきた。ロータリーエンジン仲間というわけだが、既にタルガに出て4年になるという初期型のRX7は何も問題ないという。「いい車だよ」と満足そうに語っていた。
 実は昨晩も我がチームに来訪者がいた。プロローグのスタート場所に観戦に来ていたマイケルさんだ。RX-7(FD)を2台持っているというマイケルさんは、そのうちの1台で来年のタルガ・タスマニア出場を予定しているという。余ったスペアパーツを捨ててしまうのももったいないのでいらないか訊いたところ、早速取りに来てくれたのである。当然乗ってきたのはRX7。リアウイングの大きさからしてかなり改造してあると思しきこの車は、来年出場を予定している車ではなく、それだけにラリーの規定以上にやれるだけの改造をしたという車だ。エンジンのコンピューターは日本のAPEXi製をニュージーランドで改造して中のデータをそっくり入れ替えたという。排気管は直径10cmはあろうかというすさまじい太さのものが付いていた。燃料タンクはSP(オーストラリアで販売された特別仕様)用のカーボン製120リッタータンクとのこと。これなら航続距離を気にする必要も無いだろう。国政さんが早速運転させてもらったが、我々の車よりパワーがあったという。来年どんな車を仕上げてくるか、楽しみである。


井上さん

最終サービスの国政さん一家

Tボーンステーキと
井上さん

シーフードリゾット

 午後はTS31Cethanaが37.48km、TS33Gunns Plainsが14.68km、TS34South Rianaが24.48kmと長いタルガ・ステージが続く予定だったが、今までよく事故でキャンセルされたTS34は、今年もコース状況が悪いという理由でツーリングステージに変更された。最後のTS35Natoneは下見が遅くなり夜間に下見したのでペースノートに自信がなかったが、案の定距離やコーナーの深さがまったくいい加減であった。帰ってから車載ビデオを見て、次回のためにペースノートを書き直す仕事ができた。
 一昨日サービスでエンジンオイルを交換してから、高回転での吹けが悪くなったと国政さんは感じているが、こちらで日石のオイル(日本で入れてきたもの)が手に入るわけでもないので、このまま我慢することとし、今日の最終サービスはブレーキのエア抜きや各部の増し締めをした程度で、特に大きな作業をしないで済ませた。

 本日のゴールはBurnieである。下見のときは暗くなってから到着し、朝早くに出発したので町の様子が判らなかったが、今日明るいうちに到着してみると、とてもきれいな町に変身していた。前回、前々回に来たときは、明かりも少ない、暗い小さな街の雰囲気だったが、今日来てみると、新しい明るい街になっていた。町を一回りして、紹介されたイタリアンレストランで夕食を摂った。井上さんが「佐々木さんや林さんに申し訳ない」というほどおいしいレストランだった。

 明日はいよいよ最終日。目標としていた総合1桁の成績には遠いが、トラブルなく完走し、タルガ・トロフィーを持って帰ろうと思う。